キッチンカーでLPガスボンベ

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今回は、先日起こった山形でのキッチンカーガス事故に伴い、燃料店である私からのお話です。

ガスユーザ様、熟知している同業者様、そしてブログを読んでいただく皆様にも知ってもらいたいです。

それはLPガスボンベの使用について、その性質や方法、そして法律などでございます。

この事故はLPガスボンベ交換時に何らか原因で漏れて引火、そして爆発。

車内で爆風熱とフライヤー(揚げ物器)の高温油を浴びて全身やけどで大怪我です。

正しく使用していれば全く問題ないのに、思いっきりヒューマンエラーでの事故です。

燃焼器を止め、ボンベのバルブを閉めて交換していれば起こらない話です。

最初の頃は気を付けていたのに、慣れてきた時こそ起こってしまった恐ろしい事故でした。

この事故後、当社の方でも各ガスユーザーの皆様に注意喚起のメールをしました。

当たり前の常識を、日々気を付けてお仕事してください。決して過信・油断してはいけません。

基本であるLPガスの性質、そして仕事に対する保安業務の徹底、安全第一を考えてこそプロです。

今回はおそらく 

①バルブが空いていたまま調整器を外し噴射 

②ホースの抜き差し時にガスが噴射 

③ガス切れボンベのバルブを空けたまま残ガス漏洩 

④ホースや調整器部分からガス漏れ のいずれかだと推測されます。

一番大切なのは、「ガスボンベのバルブをしっかりと閉にしておく」こと。これだけでガス事故は起こりません。

あと、大切なのは「LPガスは空気より重い」という事、「ガスを逃がす為に扉を開けて空気を取り入れる」です。

当社ではユーザー様にこのような注意書きをお渡ししております。

この中には40℃以下で保管という項目も入ってます。直射日光を避ける、車内に置きっぱなしにしない、

などを付け加えることもあります。これはボンベ内が60℃になったらバルブが閉まっていても、

弁からガスが噴き出す恐れがあるからです。ですから夏場の車内が暑くなる場合はボンベを降ろす、です。

その他、事故リスクが高いガス機器の使用を禁止したり、反対に安全性が高くなる仕様にしたりします。

複数人でやるキッチンカーでのガス使用では、スタッフの入れ替わりも多く、周知の徹底が必要となります。

これは社内で必ず行ってもらうしか方法はありません。中には全くガスについて知らない方も多いでしょう。

キッチンカーを施工する業者様や、イベント会社、レンタル業者様にも伝えなければならないことも多くあります。

先ず、ガスボンベの販売・レンタルを行えるのは国に認定されている液化石油ガス販売事業者のみです。

LPガス会社には都道府県知事よりその金看板が必ず掲げられております。

ですからイベント会社やレンタル会社が直接お客様とガスの取引は出来ず、法律違反ともなります。

次に施工についてです。キッチンカーが出来上がり、当社に来て、ガス販売契約をする時、

必ずガス配管漏えい検査や燃焼点検を法律上、勿論安全のために実施しますが、ゴム管の三又は禁止です。

保健所からの衛生項目で5号湯沸かし器を設置しますが、必ず壁固定の配管処理を設ける必要があります。

ただ、狭い車内は酸欠になりやすく、特に北海道の場合は凍結などの恐れもあるのでオススメできません。

当社は経産省と消防局のガス関係の方々、支部のLPガス協会の局長と都度話して、改善をしながら進んでます。

そしてキッチンカーでのガスボンベは屋内使用となりますので8キロ2本までの設置となります。

運搬時は10キロ2本まで可能ですが、10キロの場合は屋外に置いて使用という制限があります。

札幌ではゴムホースの長さが2メートルまでという市町村条例もありますので、野外設置は無理。

様々なケースを鑑み、キッチンカーでは8キロボンベ以下の商品販売やレンタルを行っております。

LPガスボンベの良さは ①火力の良さ ②設置の簡単さ ③モバイル的利用 ④コスパ です。

良いところが沢山あるからこそ、この時代でも需要が多くあります。

LPガスボンベが怖いのではなく、使用方法さえしっかり守れば、簡単で安全で最高な商品です。

今回は専門的過ぎて、大変長いブログになってしまい、ごめんなさい。

でも、一生懸命にLPガスボンベを商いしている私としては、とても大切だと思って綴りました。

今回のキッチンカーブログを、是非ともユーザー様や関係者様は周知として読んで欲しいです。

さてさて、走り終わったし、温泉入って、ススキノで旨いものを頂きましょう。

今宵は炉端で大粒ホタテの浜焼きと、宗八カレイの干物をクラシックビールで乾杯です。

ということで、今回はおしまい。

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